市場視察だけではない。ベトナムを訪れた日本の旅行会社関係者による5日間の旅は、心に残る文化探訪の旅となった。西湖に漂う蓮の香り、趣深いハノイ旧市街、そして世界自然遺産のハロン湾や世界複合遺産チャンアンの壮大な景観。多くの参加者は、「ベトナムは豊かな文化的個性と温かい人々、そして日本人旅行者にとって大きな可能性を秘めた魅力的な国だ」と語った。

5月25日から29日にかけて実施された「ハノイ-ニンビン-クアンニン観光ルート連携ファムトリップ」には、東京、大阪、福岡、関西、兵庫などの有力旅行会社から28名の代表者が参加し、ベトナムを代表する観光商品を実際に体験した。
なかでも最も印象深い訪問先となったのが、千年の歴史を誇る首都ハノイである。ハノイは、ベトナム各地の世界遺産を結ぶ国際観光の玄関口としても重要な役割を果たしている。
参加者は単なる観光にとどまらず、地域文化を実際に体験した。西湖名物の蓮茶作り、伝統陶芸の体験、シクロで巡る旧市街散策、2階建て観光バスによる市内観光、さらには歴史ある「ハノイ五城門(五つの城門)」をたどる鉄道ツアーなど、多彩なプログラムを楽しんだ。

特に高い評価を集めたのが、文廟・国子監で実施されているナイトツアーである。最新のライトアップ技術と歴史物語を融合させた演出により、ベトナム人の学問を尊ぶ精神と奥深い文化の魅力を感じることができたという。
日本の旅行業界関係者からは、ハノイが文化遺産を活用しながら新たな観光商品を創出している点が高く評価された。近年の旅行者は、単に名所を訪れるだけでなく、実際に体験し、交流し、その土地の文化を深く理解したいと考えている。これは日本市場においても注目されている旅行トレンドの一つである。
ハノイ市観光局によると、日本はベトナムにとって最も重要な国際観光市場の一つであり、毎年約80万人以上の日本人観光客がベトナムを訪れている。そのうち約40%がハノイを訪問している。一方で、日本を訪れるベトナム人旅行者も年間70万人を超えており、両国民の交流は年々深まっている。

ハノイは豊かな文化遺産だけでなく、安全性や人々の親しみやすさ、そして地域色豊かな体験でも高く評価されている。伝統工芸村や特色あるグルメ、活気あるナイトエコノミーなどを通じて、ハノイは文化体験を求める日本人旅行者にとって魅力的な目的地として存在感を高めている。
また、視察プログラムと並行して開催された「ベトナム・日本観光業界B2B商談会」では、新たなビジネス協力の可能性も広がった。両国の企業が市場情報を共有し、観光商品を紹介するとともに、日本人旅行者のニーズに合った新たな旅行プランの開発について意見交換を行った。

専門家は、ベトナムと日本の関係がさまざまな分野で発展を続ける中、観光は今後も文化交流を促進し、両国民の友好関係をさらに深める重要な架け橋になると指摘している。本物の文化体験と地域の魅力にあふれ、着実な観光投資が進むハノイ、ニンビン、クアンニンは、今後ますます多くの日本人旅行者をベトナムへと引き付ける魅力的な観光ルートとして期待されている。