ベトナム北西部ライチャウ省では7月17日、断続的な大雨の影響で鉄砲水が発生し、国道32号線の一部が激流にのみ込まれた。複数の集落が一時孤立し、地元当局は200人を超える警察・救助隊員を動員して住民の避難支援にあたっている。

被害が大きかったのはムオンタン(Mường Than)地区のバンチット(Bản Chít)付近で、道路全体が濁流に覆われ、車両の通行は完全に停止した。浸水した住宅では住民が取り残され、救助隊が人命救助と家財の搬出を行った。
現地に住む女性は、「これほど大きな洪水は見たことがありません。雨は今も降り続いており、水位は1メートルを超える場所もあります。濁流は土砂や流木とともに、多くの家財を押し流しました」と話している。
国道32号はハノイとフート省、ラオカイ省、ライチャウ省を結ぶ重要な幹線道路である。ムオンタン周辺は標高1,000メートルを超える山々と渓谷に囲まれており、長時間の豪雨によって山間部から大量の雨水が一気に流れ込んだ。
ライチャウ省警察によると、国道32号ではパックタ(Pắc Ta)地区やムオンタン地区を中心に鉄砲水や土砂崩れが相次ぎ、交通網が寸断された。現在も一部地域は孤立しており、被害状況の全容は把握できていないという。
救助活動には200人以上の警察官や救助隊員が投入された。機動警察は車両3台のほか、救命浮輪50個、救命胴衣70着、大型ドローンを配備し、住民の避難や救助活動を進めている。

また、警察は浸水区域や土砂災害の危険箇所で交通規制を実施し、危険区域への立ち入りを禁止するとともに、道路管理機関と連携して復旧作業を進めている。
ベトナム国立水文気象予報センターによると、北部に停滞する低気圧帯の影響で、この24時間にライチャウ省、ディエンビエン省、ソンラ省、ラオカイ省で大雨となった。
観測された降水量は、ライチャウ省フックタンで206ミリ、ディエンビエン省シンチャイで141ミリ、ソンラ省ナムパムで272ミリ、ラオカイ省チェタオで305ミリに達した。
今後3~6時間も北西部では20~40ミリ、多いところでは90ミリを超える雨が予想されている。気象当局は、ライチャウ省をはじめディエンビエン省、ソンラ省、ラオカイ省の山間部で鉄砲水や土砂災害への厳重な警戒を呼びかけている。