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ベトナム料理といえば、フォーや生春巻き、バインミーを思い浮かべる日本人が多いでしょう。しかし、ベトナム各地には、その名前だけで思わず「どんな料理なのだろう」と興味を引かれる個性的な郷土料理も数多く存在します。

今回は、味だけでなく名前も印象的なベトナムのご当地グルメを5品紹介します。

「Cơm Âm Phủ(コム・アム・フー)」―“冥界のご飯”という不思議な名前

中部の古都フエで親しまれている名物料理です。

「冥界のご飯」という少し不気味な名前とは対照的に、料理はとても色鮮やかです。白いご飯を中心に、焼き豚、卵焼き、エビ、ハム、野菜などが美しく盛り付けられ、見た目も華やかです。

食べる前に甘酸っぱいヌクマムだれを全体にかけて混ぜ合わせることで、それぞれの具材の味わいが一体となり、豊かな風味を楽しめます。フエを代表する郷土料理の一つとして、多くの旅行者に親しまれています。

「Sà Bì Chưởng(サー・ビー・チュオン)」―実はホーチミン市民に愛される定番料理

初めて聞く人には謎の名前ですが、実際には南部名物「コムタム(砕き米ご飯)」の「焼きスペアリブ・細切り豚皮・卵蒸し」を組み合わせた料理を指します。

香ばしく焼いた豚肉、ふんわりとした卵蒸し、食感の良い豚皮、そして甘辛いタレが絶妙に調和し、ホーチミン市では朝食から深夜まで幅広く親しまれています。


「Pa Pỉnh Tộp(パー・ピン・トップ)」―タイ族に伝わる伝統の焼き魚

ベトナム北西部に暮らすタイ族の伝統料理です。

魚の腹にレモングラスやショウガ、ハーブなどの香辛料を詰め、山椒に似た香辛料「マックケン」を加えて味付けし、魚を折りたたんだ状態で炭火焼きにします。

外は香ばしく、中はふっくらと仕上がり、もち米や辛味のある特製ディップと一緒に食べるのが一般的です。山岳地帯ならではの豊かな香りが魅力です。



「Khâu Nhục(カウ・ニュック)」―祝い事に欠かせない伝統料理

北部ランソン省に住むターイ族やヌン族の祝いの席で欠かせない一品です。

豚バラ肉を五香粉や蜂蜜、醤油などで丁寧に下味を付け、長時間蒸し上げることで、とろけるような柔らかさに仕上げます。

濃厚で奥深い味わいが特徴で、祭りや結婚式、新築祝いなど特別な日に家族や親族が集まる食卓を彩ります。


「Sỏi Mầm(ソイ・マム)」―熱した石で焼き上げるユニークな料理

メコンデルタ地方のハウザン省で知られる珍しい料理です。

最大の特徴は、真っ赤になるまで熱した石を使ってイノシシ肉を焼く調理法にあります。石の余熱でじっくり火を通すことで、肉本来の旨味を閉じ込め、香ばしく仕上げます。

焼き上がった肉は新鮮な野菜で包み、甘酸っぱい魚醤ベースのタレにつけて味わいます。調理方法そのものが観光客にも人気を集めています。

ベトナムの食文化の奥深さ

ベトナムには、地域ごとに異なる歴史や文化、民族の伝統が息づいています。そのため、料理の名前や調理法にも、それぞれの土地ならではの物語があります。

フォーや生春巻きだけではない、多彩な郷土料理との出会いも、ベトナム旅行ならではの大きな魅力と言えるでしょう。

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